篇名 | 村上春樹『海辺のカフカ』における商標/表象--ジョニー.ウォーカーとカーネル.サンダーズの造形について |
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卷期 | 3:2 |
並列篇名 | 村上春樹『海邊的卡夫卡』的商標/形象=Trademark/Figure in Haruki Murakami's Kafka at the Beach--About Becoming Johnnie Walker and Colonel Sanders |
作者 | 江藤正顕 |
頁次 | 87-99 |
關鍵字 | 肖像権 、 登録商標 、 モデル 、 メタファー 、 Copyright 、 Trademark 、 Model 、 Metaphor 、 肖像權 、 版權 、 著作權 、 商標 、 原型 、 模型 、 象徵 、 隱喻 |
出刊日期 | 200606 |
村上春樹的新作『海邊的卡夫卡』承繼
到目前為止的作品的風格,同時也表現出至
今作品未曾有的新意。那就是特意以Joh n n ie
Walker和桑德斯上校(肯德基爺爺)這些有名的
商標,直接做為小說人物的名字。那麼,村上
藉由這些人物角色想要表達什麼呢?這是本論
文所要探討的主題。
村上一定是設想這部小說將來在國外會被
閱讀而寫成的。在這部小說裏的原型人物(現實
社會中的少年殺人事件、希臘傳說中的依底帕
斯等等)被淡化,甚至消失,也就是原型人物與
小說虛構人物的同一化幾乎無意義,主要期待
只以作品本身被閱讀。但是,另一方面,Johnnie
Walker和桑德斯上校相反地與此不同,無
寧是更強化對那些肖像的聯想吧!村上在此帶
入這樣的逆轉現象,想藉由此再次探問原型/模
型(model)人物的肖像權這問題,更進而重
新審視在現代何謂原型/模型(model)人物。
村上春樹の新作『海辺のカフカ』は、
これまでの作風を引き継ぎながらも、今まで
にない新しさを示している。それは、ジョニ
ー・ウォーカーとカーネル・サンダーズとい
う有名な商標を、あえて小説作品の登場人物
として、その実名のまま登場させたことであ
る。では、村上は、この登場人物たちによっ
て何をしようとしているのか。それがこの論
考の主題である。
村上は外国においてもこの小説が読ま
れることを想定しているに違いない。そこで
は、モデル的なもの(現実の少年殺人事件や
ギリシア伝説のオイディプス等々)は次第に
後退し、同定することがほとんど意味をなさ
ず、もっぱら作品としてのみ読まれることが
期待される。しかし、その場合でも、ジョニ
ー・ウォーカーやカーネル・サンダーズは、
逆にそれとは異なり、むしろいっそうその肖
像への連想が強化されるだろう。このような
逆転現象を村上は、ここに持ち込もうとし、
そのことによってモデルの肖像権というもの
を、もう一度問い直そうとしている。さらに
は、現代においてモデルとは何かということ
を見つめ直そうとしているのである。